「組み合わせの難しさ」のおはなし。
いつもこちらのページ、思い出したかのような更新で 申し訳ありません。。ブログやtwitterや最近始めた facebookのようにここの「店主独断」ではあまりおちゃらけたことは書きたくないのでついつい滞ります。 自分の為、将来愚息がふと目にしたときの為にもちゃんとしたことを書いておこうと思っています。。
最近始めた「朝御飯のの菜」。売上が苦しくて始めました。(ウソ) この「朝御飯」に僕は料理の答えがあるように思います。
いまや国内において食材は有り余るほどありますね。種類はもちろんのこと「海苔」ひとつとってもまさにピンからキリまであります。わかりやすく言えばそれはお値段の差です。美味しいものは高価です。高値とは違うと思います。和食ではそれぞれ料理する際素材から何かを始めることよりもすでに出来上がったものから始めることが多い気がします。例えば「お出汁」。上等な昆布と鰹節さえ手に入れば95%は美味しい出汁が出来るでしょう。しかし洋食ではよくわかりませんがスープなどは素材からお鍋に入れて数時間掛けるようです。
その為和食では素材の良さというものが重要視されるのだと思います。出汁を取るには数分から数十分で出来ます。しかし鰹節や昆布が僕らの手元に届くまで数ヶ月はかかります。そこにはちゃんと人の手が入っていてその出来栄えが価値となり結果として高価になるのです。 単純に高値とはまったく違いますね。
今「朝御飯のの菜」では朝のお供である「海苔」「梅干」「玉子」「干物」「塩昆布」「御飯」と高価なものを揃えています。高価なものが揃えばそれはもう美味しいだろうと思いがちですが実際そうではありません。 ここから料理をする人の技量や経験が出るのだと思います。例えば「玉子かけ御飯」。アツアツの炊きたて御飯に放飼い鶏の新鮮な有精卵をかければ美味しいだろう、と思ってしまいますが御飯が熱いと玉子が固まってしまいなんとも中途半端です。。「海苔」は熱いうちのほうが香りが広がりいいです。 福茶の昆布と梅干にしてもお湯がぬるければ意味はありません。
いいものを揃えるのも何かと大変ですが本当に大変なのはお料理として形にするところですね。ワインだってへんてこりんなグラスで出されたらたまったもんではありません。食材の相性や組み合わせ、それらを頂く場所と時間。納得できればそれは高価なものですね。
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